この『VIVANT』(ヴィヴァン)は、先月の7/16から放送開始したドラマです。
https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
主演の堺雅人は『半沢直樹』シリーズ以来、3年ぶりの日曜劇場主演です。
また、堺雅人と『半沢直樹』シリーズなどでタッグを組んできた福澤克雄が、演出だけでなく原作も手がける完全オリジナルストーリーになっています!
私はまだ1話までしか見れていないのですが、とても面白いです!
しかし今回はこのドラマの「ストーリーではない部分」について興味を持ったので、その点についてまとめました。
『VIVANT』ではストーリーや役柄を初回放送まで一切明かさないという手法が取られています。
最近では
『THE FIRST SLAM DUNK』
『君たちはどう生きるか』
など、普通の映画であれば必ず公開される「あらすじ」すら公開しない映画作品も生まれてきていますが、今回はドラマでこのやり方をとることはとても珍しいのではないかと感じました…!
(『君たちはどう生きるか』は吉野源三郎の同名の小説↓からタイトルを取っていますが、直接の原作ではないようです…!)
通常、映画やドラマにおいては「公開初週」「初回放送」の勢いを最大化するために、公開や放送開始の直前から様々な形で情報を出していくことで、盛り上げを演出していくのが今までのセオリーです。
映画の場合、動員数を最大化しようと思ったら、できる限り多くの映画館で様々な時間帯に上映してもらうことが重要になります。ただ、公開直後の客足に勢いがなければ、当然上演本数は少なくなります。
そこで通常は公開初週の興行収入が最も重要なため、そこに向けて予告編の公開や、あらすじの公開、関係者のインタビューやメディア露出をさまざまに仕掛けていきます。
ドラマも同じように「視聴率を高めたい」と思ったら、ストーリーや役柄を初回放送までに宣伝して期待値を高め、注目を集めていくのがセオリー通りだと思います。
このセオリーに反した、公開前にストーリーなどが明かされないにも関わらず、
「多くの人が映画館に足を運ぶ映画」「多くの人が視聴するドラマ」
こういった作品の特徴が気になったので、今回比較してみました。
- 福澤克雄が演出・原作を手がける完全オリジナルストーリーですが放送までストーリーは非公開。
- 福澤克雄は以前、堺雅人主演のドラマ『半沢直樹』で高視聴率を取っている。
- 放送前に堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司という俳優陣が公開されていた。
- この映画は有名なマンガ『SLAM DUNK』の主人公・桜木花道と同じチームの「宮城リョータ」というキャラクターが主人公に置かれているため「原作ストーリー+オリジナルストーリー」という構成です。こちらも公開日までストーリーは非公開。
- 主要キャストのみが公開されていた。
- 同じタイトルの有名な小説がこの映画の主人公にとって大きな意味を持つという形で関わってくるものの、宮崎駿の完全オリジナルストーリー。前の2作品と同様に公開日までストーリーは非公開。
- 主要なスタッフについても公開日までほとんどが非公開。
- (プロモーションとしては、「金曜ロードショー」で10年間流し続けた今までのジブリ作品が実質的に宣伝だったという意見も見かけました…😂)
特徴を挙げてみると、どの作品にも共通することはやはり過去の実績・ネームバリューだと感じました。原作があってもなくても、ストーリーが公開されていなくても「原作」「キャスト」のファンであったり、「これまでの作品」に対する確かな信頼があるのだと思います。
「信頼」があるからストーリーがわからなくても見る、これはエンタメの形としてとても良い例なのではないかと思いました…!
また、スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんは
「これだけ情報があふれている時代に一切宣伝がなかったら、もしかしたら情報がないことがエンターテインメントになる」
と語っていたそうです。
実際に、SNSでもどういった内容なのか推測したり楽しみにしている声も多く、その流れも含めてエンターテインメントになっていたのかなと感じました…!
公開予定日の発表から公開までの一連の流れを追ってみて、予告編やCM、新聞広告等がない中で鍵となるのはポスターなどのメインビジュアルなのではないかと考え、デザインも重要な要素だと実感しました。
今後もこのような形のプロモーションの作品が増えていくのかなと思うので、デザイン的な面からも注目していきたいと思います。
ちなみにVIVANTはU-NEXTで見ることができるので、加入している方はぜひ見てみてください!